– Shady – から – Monarch – へ

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 このサイトには、旧ブログからの古参の方や新規の方など色々来られると思います。そこで、大した話があるワケではないのですが、ラップ解析ソフト Monarch と、その亜父(後見人)であるヨルゲンセンについて書き綴っておこうと思います。特に Monarch は元々自分で利用するためだけに開発し始めたモノなので、亜父が分かるようにしか造られていません。初見では到底理解しえない仕様となっております。ですので、他の解説ページ含めて、簡単な概要を書き記しておきます。

          


”Shady” の実戦運用と改良

Shady への疑念とモチベーションの低下

 2016年、初期のソフト Shady が一定の形になったので、翌2017年に入ってからもこの Shady でラップを解析してていくコトになります。ただ、Shady 誕生のところでも書いた通り、扱う情報量の多さに加え、検証・予想作業の煩雑さが物凄い時間と労力を私から奪いました。考えるべきコトはたくさんあります。「この解析から得られる情報は、一定以上の有用性を担保できているのか。」「データの取り込みをもっと効率化できないか。」「ラップで本当に馬の適性判断ができているのか。」「そもそもこのソフト開発は意味があるのか。」など、様々なコトを考えながら毎週競馬に挑みました。

 しかし途中で停滞期も訪れます。多いですねそういうのw Shady 完成の前にも同じような時期がありました。過去のログを参照すると、解析した形跡が一切ない期間が存在するんですw Monarch の完成後にも同様の時期が訪れますw 後述していますが、旧ブログを見ても明らかです。解析や記事の作成が面倒臭い、あるいは時間がないからというコトで、解析結果が載っておらず、主観予想だけ掲載するという時期がありました。結構忙しかったというのは事実ですが、継続が大変でモチベーション下がっていたというのもありますかねぇ。。ソフト開発と改良に掛かる労力と時間は並ではございませんのでw

血統・調教ファクターの導入

 そんな浮き沈みを経ながら Shady を運用する中で、どうも解析の有用性が思うレベルに達してこないと感じ始めてしまった私は、ココから解析機能を追加するという暴挙に出ます。ラップ以外の要素もソフトの解析に取り入れようというのです。追加項目の筆頭候補は血統・調教。血統は以前から書いている通り、私の根源的な予想ファクターです。なのである程度自分の中に理論はありますが、機械に判定させるとなると、コレまた面倒。数的に扱う危うさも感じます。一方、調教に関しては、私は門外漢でした。調教の様子を見ても良い・悪いは分からないですし、「素軽い動き」とか言われても「…は?」といった感じ。「調子が良さそう」とか言われても…「え… 何を根拠に…?」と(未だに)思っているぐらいの奴です。ただ、そうであるからこそ、調教を客観的に、数的に扱うという思考にはすんなり入れました。「どうせ見ても分からないんだから、そうなれば数的に扱うしかない。」といった感じですね。

 調教で数字といえば、まずはタイムです。というかフツーに考えればタイムぐらいしか思いつかないかも知れません。なのでコレをどう扱うかを考えていきます。もちろん、まずはタイムの速い・遅いですよね。良いタイムが出ているコトは世間的にも一定評価されます。しかし、ただ速く走れば良いワケではありません。同時に、遅いから絶対ダメというコトもありません(コレはレースタイムにも言えるコトですが)。調教では「敢えて速く走らせない」コトがあるからです。馬場の何分所(なんぶどころ/内か外か)を走ったかという問題もあります。調教だけやたら走ってレースではからきしという調教番長な馬もいます。逆に調教はいつも良くなさそうなのにレースはバンバン走る馬もいます。色んなパターンがあるので、単純な評価はできません。だから解析をするのです。逆に言うと、速い=良い、というだけならばいちいち解析する必要が無いですよね。

 当時の私は、調教の良し悪しを数的に測るには、大きく3種類の考え方があると仮定しました。まずは①タイム(あるいはラップ)の速さ。次に②馬自身の好走時の調教との比較(縦の比較)。最後に③各レースの好走馬の調教との比較(横の比較)です。まず①は、単純な話で、タイム(ラップ)が良(速)ければ良いという指標です。先程、ただ速ければ良いワケではないと書きましたが、とは言え速いコトを評価するのが悪いワケでもありません。一定、そういう考え方は通用します。次に②は、馬個体ごとの調教比較です。ある馬がコレまでに積んできた調教を比較し、好走(良い走りを)した時の調教と今走の調教を比べます。好走した時と同じような調教を積んでいる、あるいは似たようなタイム・似たようなラップ推移で走れていれば良い可能性がある、という考え方です。特定の調教を積んだ時に必ず走る、という傾向を持った馬を探す作業ですね。最後の③はレース毎に過去の好走馬の調教を参照し、それと今回出走する馬達の調教を比較します。レース(コース)によっては、特定の調教を積んでいる馬がバンバン穴を開ける傾向があったりします。それに合致している馬がいれば、今回穴を開ける可能性がある、と考えられるワケです。私が開発したソフトはラップ解析がベースにありますから、タイム・ラップを取り込んで判定するならば似たような話。そのため、調教は比較的容易に導入できました。

 血統に関しては、一部 Shady に導入されている部分もあるのですが、公開できるレベルにまでは到達していないと判断されて保留のままになっています。というか、元々血統予想家の私は、突き詰めると深い所にどんどん突き進んでいってしまい、最終的に Monarch とは別で血統ベースのソフトを作り出してしまったんですよねw なので、血統に関しての話はとりあえず置いておきますw
そうして、一部血統と調教の解析要素を加えて Shady は次の次元へと昇華。これら新要素の検証もしながら2017年は後半へ突入していきました。

”Monarch” のへの進化と菊花賞

2017年 第78回 菊花賞

 2017も後半に入り、秋のGⅠが始まりました。が、あまり細かいコトは覚えていません。解析結果を見直せば思い出すコトもあるでしょうが、記憶として深く刻まれていないというコトは、大したコトがなかったのでしょうw 日は進み、時は2017年10月22日(日)菊花賞。この年のクラシックは、皐月賞をアルアイン、ダービーをレイデオロが制していました。アルアインはこの菊に参戦。一方のレイデオロは神戸新聞杯を使ったものの、その後はジャパンカップへ挑戦するというコトで菊はスルーでした。菊花賞は思い入れの強い好きなレースですが、近年は昔ながらの菊花賞血統が鳴りを潜めていたので、予想するにもイマイチ意気消沈気味。前年は母父サクラバクシンオーと母父 Storm Cat のワンツー決着だったコトで、もう菊花賞は変わってしまったなと思う程でした。しかし2017年の菊花賞当日は雨で馬場状態は不良。物凄い泥んこ馬場でした。コレはもしや…タフな馬場で昔ながらの菊花賞血統の復権があるのでは…。俄かに色めき立ちます。

 この年は、割と菊花賞に向きそうな血統が多かったように思います。中枠から外にはトニービン持ちがあふれ、例年バンバン走る内枠にステイゴールドが整列。ダンビュライトとか、サトノクロニクルとか、ウインガナドルとか、狙った人が多かったんじゃないでしょうか?私も一応その辺も狙ってはいましたが、血統をサラッと見てまず目を付けたのは、10番人気のクリンチャーでした。理由は単純。古くからのベタな菊花賞血統であるブライアンズタイムが母父に入っている馬だったからです。コレだけわかりやすい血統で、しかも内枠なのになぜ2桁人気なのか?そう思って真っ先にピックアップしました。やはり人気との乖離は大きなポイントですからね。次に注目したのはダート指向性。菊花賞では、割と『ダート中距離の血』が活きてくるコトがあります。ブライアンズタイムのダート指向性は皆が広く持っているイメージの通りだと思いますが、私は父のディープスカイにもそれを感じていました。ディープスカイは、芝で大成した馬ですが、産駒には割とダート指向が強く出ていたのです。それは父のアグネスタキオンも同じでした。

 この週は土曜日の終盤から、分かりやすい欧州血統、キングマンボ・トニービン等がよく走っていたのですが、それに加えて「ダート指向の利いた馬場傾向が出ている」という印象も受けました。コレは、ただ単にダート向きの馬が走るというコトではありません。血統の大枠としては日本の芝の主流・SS系であり現役時は芝で大成したディープスカイ、その仔クリンチャー自身も芝での実績をしっかり残していた、その『芝を走れるしっかりした下地』があっての、『スパイス的に効いてくるダート指向』です。クリンチャーはその後、ダートに転向してもある程度成功しました。このクリンチャーのダート指向性については2017年当時に旧ブログで書いた記事が残っていますが、その後の成績を見る限り、当時の私の見解は当たっていたコトになります。とにかく、この血統見解を基に、菊花賞でこそ、この馬場でこそのクリンチャーが、この人気で内枠ならば、ココからいくしかないと考えて本命に据えました。

調教適性とラップ適性

 自分の本来の領域である血統の話でゴチャゴチャと語りましたが、本題はソフトの解析です。結論から言ってしまえば、新しく導入した調教適性の評価で、クリンチャーは1番手でした(ちなみに勝利したキセキが3番手評価)。私が血統評価で1番手に据え、ソフトが調教適性でも1番手に据えたので、その時点でクリンチャーの評価は盤石に。次はラップ適性です。1番手評価は同率でポポカテペトルとスティッフェリオになっていました(ちなみにクリンチャーは同率6番手評価)。ココまで来れば、馬券の組み方は定まります。クリンチャーを主軸に据えて、複軸にポポカテペトルとスティッフェリオともう1頭(恐らくマイネルヴンシュかサトノクロニクルだったと思われます)を置く。あとは他に流すだけ。皆さんご存じの通り、2017年の泥んこ菊花賞を制したのは1番人気のキセキでした。まぁこの馬を買うのは極めて容易です。1番人気ですし。問題は2・3着。結果は、見事本命◎クリンチャーが、10番人気2着。対抗○に据えた複軸の1頭スティッフェリオは14番人気14着でしたが、単穴▲に据えたもう1頭の複軸ポポカテペトルが13番人気3着だったので大本線で入り大勝できました。(ちなみにマイネルヴンシュは11番人気4着、サトノクロニクルは6番人気10着でした。)

 この大成功で、以前から持っていた「解析結果を公開していっても大丈夫なのではないか」という思いが確信に変わり、私は新たなブログ立ち上げを発起します。以前からブログはありましたが、それはいわゆる雑記ブログの類で、競馬記事もあるが他のコトについてもダラダラ書いているしょ~もないモノでした。折角ソフトを開発して、その解析結果を毎週公開していくなら、さすがに競馬専門のサイトを立ち上げるべきですよねw 当然そう考えた私は、即日ブログを創設。その際、新たな機能が実装されたラップ解析ソフトを、日陰にいた “Shady” から、競馬を制する君主 “Monarch” へと改称し、ココに、現在へと続く初代 Monarch が誕生したのでした。

 翌月のジャパンカップは、調教適性が1番手だったシュヴァルグラン(ラップ適性は4番手評価)が制し、ラップ適性が1・2番手だったレイデオロとキタサンブラックが2・3着。比較的カタい決着ながら、Monarch はある程度上手く機能しているようでした。その後も日々の運用成果から、菊花賞がたまたまハマっただけなのではないという確証が得られます。しかし、当然ながら上手くいかないコトも多々ありました。それが競馬であると言えば、まさにその通りなのですが、ソフト自体まだまだ盤石とは言えません。その後も Monarch の運用と解析結果の公開、そして改良、このルーティンは続いていきます。

Monarch の覚醒と運用法開拓

 Monarch との併走は翌年以降ももちろん続いていきました。上手くいくコトもあれば、全く目も当てられない結果になるコトもあります。当然です。調子の良い時もあれば、悪い時もありました。コレは生身の人間の脳の思考であれ、機械の思考であれ、同じです。対象となるレース自体が生身の馬と生身の人間が作り出す生モノですからね。ちなみに、どのレースがどういう解析結果だったか、Monarch の公開情報3年半分は旧ブログに残っているので、細かくはそれを見ていただければ確認できます(1つ1つ見ていくのは最高に面倒臭いですがw)。忙しくて、あるいは面倒臭くて、あるいは上手くいかないからモチベーションが下がって、色んな理由で解析をしなかった時期もありましたw 前述の通り、それも記事を見れば分かります。そういう時は解析結果を載せていないのでw ココまで造っておきながら、開発と運用を完全に投げた時期もありましたw そんな紆余曲折を経て、2021年 Monarch が突如覚醒します。

2021年 第59回 京都金杯

 2021年、年が明けてスグの京都金杯。ココで Monarch はラップ解析の最上位評価に12番人気のケイデンスコールを指名します。2番手評価は2番人気のピースワンパラディでした。実際のレース結果は、まさにこの2頭が1・2着!! 更には、3着に Monarch が総合5番手評価とした14番人気エントシャイデンが入るコトで、3連単の配当はなんと120万に!! 物凄い大爆発でした。しかし、ココには色々と問題がありまして…。。。

 まず第一に、私は Monarch に全幅の信頼をおいてはいませんでした(まぁその後も多少疑いはあって、そのせいで個人の馬券はだいぶミスってるんですがw)。次に、この年の京都金杯は京都競馬場の改修のために変則の中京開催となっていました。この2つの状況が重なった結果、変則開催を必要以上に気にした私が、一度 Monarch が出した結論を訝しんで中を弄りまわし、解析結果を歪めてしまったのです。ブログに公開したのは私が歪めた結果でした。最終的に3着に滑り込んだ14番人気エントシャイデンの評価は上がったのですが、勝利した12番人気のケイデンスコールと2着ピースワンパラディの評価は下がってしまいます。なんという特大ミス…。。亜父が自ら開発したソフトの解析結果を信じずに自滅するとは。。各所で語っている通り、基本的に Monarch は地力の評価を極力取り除いて適性だけを判断するモノなので、高評価馬のベタ買いは推奨していないのですが、上位5頭の3連単BOX(60通り)で容易にこの120万馬券は手に出来たのです。結果的に私個人の馬券は異次元の爆当たりを逃しましたが、Monarch 自身は大勝でした。

2021 第4回 葵ステークス

 1・2月はそのまま好調を維持します。しかしその後、イマイチ振るわない時期も訪れました。推奨上位から1頭は来るが他が続かない、あるいは狙いの特大穴馬が4着…などです。そうなると、自然とモチベーションも下がってきます。が、また爆発する瞬間が訪れます。それはダービーの前日でした。重賞昇格後間もないレース・葵ステークスです。ココで Monarch は9番人気のオールアットワンスを最上位評価に指名しました。2番手評価は3番人気のヨカヨカ。ん~…なんか京都金杯の時と似ていますねぇ。。実はこのレースも、本来の京都から変更で変則の中京開催でした。結果は、オールアットワンスが3着。ヨカヨカが2着。見事本線で入っています。あとは1着馬。勝ったのは、13番人気のレイハリアでした。なんと Monarch はこの馬を総合5番手評価にしていました。お…おぉ…。。同じです。ベタ買い推奨はしていないものの、上位5頭の3連単BOXでやはりこの145万馬券が容易に手にできます。が、私個人はそういう馬券の買い方はしませんwww なので実際に帯を手にするコトはできませんでした。ただ、この時は比較的素直に Monarch を信用していたので、2・3着の本線からレイハリアに流して3連複は手に出来ました。単複・ワイドも当然持っているので、3連単に手が届いてなかろうが、物凄い配当です。こ…怖ぇ…。。Monarch の解析結果を素直に聞き入れ、3連単5頭BOX(60通り)のベタ買いをしていれば、1月~5月の重賞のみの試行で100万馬券が2本手にでき、回収率は800%になっていました。「コレって…凄すぎないか…?」

 何度も言うように、Monarch は元々適性評価の判断材料として使う為に開発を始めたので、解析結果のベタ買いを想定していません。ただ、ベタ買いした場合にどうなるかは、興味深いポイントなので以前からまとめて出そうとしていました。しかし、なかなか面倒臭くてねぇ…w 中途半端にしかやってこなかったんですが、今年からいくつかのベタ買いパターンを設定し、検証しています。その1つが、前述の『総合評価上位5頭3連単BOX』です。コレで当たったレースは他にもいくつかあります。配当がそこまでハネてないのでいちいち記載していませんが。他にも、上位評価馬の単複やワイド・馬連、3連複などの数値が当然あります。徐々に公開していく予定ですので、出てきたらそちらでご確認下さい。

 そんなこんながあり、Monarch が更なる高みに達したこのタイミングで、ブログ移設を決行。実はこのブログは2019年から存在したのですが、元々血統情報を公開していた全く別のサイトでした。それを思い切って取っ払い、そっくり Monarch 用に挿げ替えたのですw 以前のブログも悪くなかったのですが、無料ブログというコトで色々と(やりやすい部分もあるんですが)やりにくい部分がありました。移設の簡単な経緯については旧ブログにも記載しています。閲覧者にとってより見やすくなっていれば良いなとは思うんですが、どうでしょうかね。。とにかく、今後も亜父ヨルゲンセンは、Monarch の動向を見守っていきたいと思います。

 



Jørgensen と Monarch の歩み

① Monarch の亜父Jørgensen

② 日陰のソフト -Shady –

③ – Shady – から – Monarch – へ  

    

その他の参照項目解説

位置取り指数の見方

ラップ適性解析表の見方

ラップバランスチャートの見方

馬場適性の見方

総合評価の扱い方

ラップ適性マトリクスの見方

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