Monarch ラップ適性解析表の見方

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 Monarch は、数百・数千時間をかけた開発・改良の末、参照する項目や扱う数字・数式が非常に多くなっているので、細かい所を見始めるとキリがありません。
一応、その中でも有益であろう部分を抜き出して出力し、公開してはいるのですが、それでも元々自分のみが使う目的で開発されているので、基本的には分かりにくいモノになっていると思います。
簡単に見ようと思えば、ソフトの適性総合評価を確認していただければ良いのですが、折角その他の項目も出力しているワケですし、それらがたまに有益な情報をもたらしてくれるコトもあるので、項目ごとに簡単に解説しておこうかと思います。


『ラップ適性』について

 いつも、『位置取り指数』、『過去ラップ一覧』に続いて出している表が、『ラップ適性解析表』です。
この表には、左から順に、枠番、馬番、馬名、父名、母父名、*配合評価、総合評価印、位置取り指数、位置取りタイプ、ペース適性、馬場適性、*血統評価、*サブデータ評価、ラップパターン評価一覧、が並んでいます。
(* が付いている項目は、除外して出している場合もあります。)
血統に関しては、また別の話が出てくるのでココでは省略します。
位置取り指数に関しては、別ページで説明しておりますので、そちらでご確認下さい。
馬場適性に関しても、毎回一覧表を別に出しているので、それに関する解説を用意しています。
ココで中心に解説するのは、『ラップパターン評価一覧』です。この項目での評価を『ラップ適性解析評価』と呼んでいます。

          


複数の『ラップパターン』

 Monarch がレースのラップを予測する際、まず当該レースの過去ラップや同条件の別レースのラップ、近いと思われる条件・馬場で開催されたレースのラップ等を参照し、出走予定メンバーの顔ぶれも考慮した上で、今回発現する可能性があるラップのパターンを複数提示します(場合によってはパターンが1つになる時もある)。
その際、レースが開催されるコース、天気、馬場、出走メンバー、ペース想定等を基に、それぞれのラップパターン毎の発現確率を算出し、基本的には(例外もありますが)確率が高いモノから順番に並べて出してくるようになっています。

 ラップパターンは、実は細かく見ると結構な種類が想定されているのですが、あまりミクロ視点になり過ぎると逆に視野が狭くなってしまい、合理性を欠く結論を導き出してしまうので、ある程度似たパターンのラップは同一視され、最終的には1~6種類に分けられて出てきます。
あまり細かく想定されたものが提示されても、その通りにはそうそうなりませんからね。

 とにかく、確率の高いモノから A B C D E … と並べられて出てきます。
その際、それぞれのパターン毎に「当該のラップ展開になった場合、それが優位に働く可能性がある馬」に順位付けをして(印を振って)くれます。
Monarch は出走各馬の過去の走りを参照して、それらが「どういう条件のレースだったか」「どういうペース・ラップ推移だったか」「どういうラップバランスで走破したか」「どういう能力が問われたレースだったか」等々、細かく見定めているので、それらの情報を詳解した上で判定を下しています。
このようにして「どの馬がどういったラップパターンになった時に力を発揮できるか」が『ラップパターン評価一覧』に表れてきます。

    


ラップ適性解析評価の意味合い

 ラップパターン評価一覧を見ると、上部にラップパターンの種類(A・B・C…など)が並び、縦に出走馬が枠番通りに並んでいます。1番の馬のAの枠に◎が付いていれば、それは「もしレースのラップがAパターンに近い形となった場合、出走各馬の中で1番の馬が最も力を発揮できる可能性が高い」という判定をされたコトになります。
(※一番強いという意味ではありません。)
各ラップパターンにはそれぞれ発現確率が設定されていますが、この値は割と信頼性が高いです。レース後に検証してみると、レース前に示唆された高確率パターンが実際に発現したというケースが多くなっています。なので、まずは高確率に設定されている方を(Aから順に)重視するというのが基本になります。

 しかし、当然低確率のパターンが発現する場合も出てきます。
(もちろん Monarch が想定していないラップが発現するコトもあります。)
それぞれのパターンが一定の確率で示唆されているワケですから当然です。
そうなると、低確率のパターンもある程度考慮に入れる必要が出てきますよね。
なので、特大の穴馬を狙う時などは、あらゆる印を見逃さず細かく見る必要も出てきます。
「いやでも…それやとキリが無いし、そもそも結局何を狙えばエエか分からんやん…。」
そうですねw
そこで、ラップ適性一覧の全体を見渡してみます。
そうすると、横にズラっと印が連なっている馬が見つかるコトがあります。
(若駒戦では少ないですが、古馬戦では複数いるコトが多いです。)
この馬は複数のパターンで印を配されているので『どのパターンにもある程度適応する馬』という見方をするコトができます。
この観点は、高確率パターンの評価と同等、場合によってはそれ以上に重要です。
各種パターンで評価が高い(印の数が多い)馬は、言い換えれば『安定感のある適性評価を受けている』というコトになるので、『高評価だケド評価に偏りのある馬』(例:Aのみ◎)よりも場合によっては信頼しやすくなります。
特に各ラップパターンの発現確率にあまり差が無い時などです。

 

評価印と注意点

 Monarch が配する印は以下の通りです。

1.◎
2.○
3.▲
4.▼
5.★
6.☆
7.△
8.▽
9.–
10.-

 説明不要かと思いますが、『◎』が最も高評価、『-』が10番手評価となります。
『-』以下でも実は適性が認められている、というコトもあるのですが、その場合は印は振られません。
現状でも印の数が10個もあって十分多いのに、コレ以上増えると視覚的に分かりづらくなりますからね;;
印の上限をなくせば、18頭全てに印が付く可能性もありますんで、現状はそうならない仕様にしています。  

 次に、古参の方でも勘違いされている場合があるので、ココで1つポイントとなる基本事項を挙げておきたいと思います。
Monarch の各種適性判定には、調子・スピード能力・実力・実績・年齢的な衰え、といったような、いわゆる”地力(強さ)”に関連する評価が一切(実は全くのゼロというワケでもないのですが)入っていない、という点です。
なのでココでの評価は、よくある『スピード指数』のような馬の強さの指標とは異なります。
なぜそういった『実力・実績』の要素が排除されているか。
それは穴馬を導き出すためです。

 競争馬の実力・地力に関してですが、私は正直、あまり云々する必要が無いと思っています。
馬の強い・弱いなんて、今時だいたい分かっているからです。
もちろん、大成していないが実力を秘めている馬とか、あまり評価されていなかったが大穴を開けて実力が見直された馬、成長して一気に能力が開花した馬、あるいはたまたま勝ったケドもフロック視されている馬、みたいなのもいるとは思いますが、基本的には、強い馬はみんな知っていますし、戦績を見れば分かります。
もし戦績を見て分からなくても、今時チョット調べれば世間的な評価はスグ分かります。

 例えば、レースを予想する際に「ディープインパクトが強いかどうか」を考える必要があるかどうか、という話です。
アーモンドアイが強いかどうかの議論が、果たして必要なのか。
「今回のレースはウチのソフトがコントレイルに◎を付けました!」
とか
「デアリングタクトの指数が1位です!」とか、
それ…何か意味あんの…??
というのが正直な私の思いです。
「アナタに教えられなくても、そんなコト地球人口70億人全員が知ってますケド…」と。

 よく出す例ですが、Monarch のラップ適性解析評価は、未勝利馬とダービー馬が一緒に走った場合(有り得ない状況ですが)でも、未勝利馬に◎をつける可能性があります。
それは、前述の通り、地力・実力を加味していないからです。
この組み合わせで実際にレースが施行された場合、どう考えても地力が違い過ぎるので何もなければ十中八九ダービー馬が勝ちますよね。
しかし、そこで安易にダービー馬に◎がついたりしないのが、Monarch の真骨頂であり、適性で穴馬が導き出せる可能性を秘めている証拠になります。
(地力を無視して適性だけを判断しているので)
例えば、Monarch がダービー馬に◎を付けたとして…
皆さん、そんな情報欲しいですか?
少なくとも、私はそんな情報要りません。
逆に、Monarch がダービー馬を評価しなかったら、そのダービー馬は買えないのでしょうか。
そんなハズはないですよね。
というのは、昨日今日馬券を買い始めた素人でも分かります。
ダービー馬が強いのは、ほぼ全ての馬券購入者が知っているのだから、誰でも容易に買えます。
そこでソフトがわざわざ
「強いのでダービー馬を買った方が良いですよ」
などとアドバイスする必要性は、皆無なのです。

    


ラップ適性評価の使い方

 ココまでの話で、ラップ適性評価が何を意図しているかは何となく理解していただけたでしょうか。
次は、予想での実戦に向けて、もう少し具体的な話をしていこうと思います。

 前述の通り、ラップ適性の項目には、基本的に地力の要素が加味されていません。
文字通り『適性』を評価しているので、高評価を受けた馬は、単純に「適性が高い」と Monarch に判断されたというコトになります。
では、ラップ適性で評価されなかった馬はどうなるでしょう。

 ラップ適性で高評価を受けた馬が「適性が高い」のならば、ラップ適性で評価されなかった馬は「適性が低い」のだろうと安易に考えてしまうかも知れませんが、実はそれは間違いです。
もちろん、「適性が高い」の反対はフツーに考えれば「適性が低い」ですが、Monarch の判定の場合はそうなりません。
…一体どういうコトでしょうか?

 Monarch は『適性の高さを裏付ける証拠』を探して見つけ、それを基にして各馬の評価を提示してくれます。
なので、「評価されなかった」というコトは、『適性の高さを裏付ける証拠が見つからなかった』というコトになります。
というコトは、適性が低いのでしょうか?
違います。
繰り返しになりますが『適性の高さを裏付ける証拠』が『見つからなかった』だけです。
『適性の低さを裏付ける証拠』を『見つけた』ワケではありません。

 例えば、超スローの中、直線よーいドンを制してデビュー勝ちした馬がいたとします。
この馬の次戦を予想する際に、Monarch が初戦と全く違うハイペースのラップ展開を示唆していた場合、どうなるでしょうか。
(実際には高評価する可能性もありますが)恐らく、Monarch はこの馬を高くは評価しないでしょう。
では、この馬には、2戦目で想定されているラップへの適性・ハイペースへの適性が無いのでしょうか?
答えは簡単。
「分かりません。」です。
なんじゃそれw と思うなかれ。
それが『事実』です。
ただ1つ言えるのは、Monarch はこの馬の過去の戦績から、「今走で発現する可能性が高いラップへの適性を見つけられなかった。」というコトだけです。
先に述べた通り「ハイペース適性の低さを裏付ける証拠を見つけた」のではないのです。
たまたま前走スローで勝っただけで、実はハイペースを前々で進める方が得意で、そのパターンになればサイレンススズカよりも高いパフォーマンスを発揮する、という可能性だってあります。

 適性が高い『かもしれない』のに、適性の高さを裏付ける証拠が見つからなかっただけで『適性が低い』と断定してしまうようなコトを、Monarch は絶対にしません。
この馬は、適性が『低いかもしれない』し『高いかもしれない』のです。
予想時点で分かっているのは『現時点では適性が高いとは言えない』というコトだけ。
なので、その『事実のみ』を Monarch は提示します。
根拠のない推察はしません。

 こういった仕様ですから、Monarch の適性評価は、各馬の評価を上げるために使うのが趣旨であって、下げるために使うべきではありません。
もちろん、特定の馬が上がるというコトは、相対的には他の馬が下がるワケですが、絶対的評価を下げる指標にすべきではないのです。
単純に『評価されていないから消し』となるのは危険です。
それは、前の項目で語った『ダービー馬と未勝利馬が一緒に走った場合』の例を考えればお分かりいただけるかと思います。
ダービー馬の適性評価が低かったからと言って、ダービー馬を消しても、恐らくは馬券をハズして終わりになりますよね。
ラップ適性で評価が低くなっているのを『絶対的な適性が低い』と誤認してしまうと、不用意に的中率を下げるコトになってしまう可能性があります。

      



ラップ適性解析表の具体例

①第59回 京都金杯(2021)

2021 京都金杯 ラップ適性表
2021年1月5日 第59回 京都金杯 ラップ適性解析表

上の表は、見ての通り、2021年・京都金杯のラップ適性解析表です。以前のブログで公開しているモノと同じです。
このレースは、年明け一発目からいきなり3連単で1万倍(100万馬券)が出たので覚えておられる方も多いかと思います。そして、Monarch のベタ買いシミュレーション・総合適性評価上位5頭の3連単BOXでも仕留められたという伝説のレースです。

ちなみに、ソフトの総合適性評価は、
②ケイデンスコール  12番人気 1着
④ピースワンパラディ 2番人気 2着
⑫ラセット      9番人気 13着
⑧レッドガラン    3番人気 6着
⑬エントシャイデン  14番人気 3着
⑦スマートオーディン 15番人気 9着
となっていました。

Monarch が想定したラップパターンは3つ。実を言うと本来は4つで、BとCの間にもう1つあったのですが、それには該当馬がいなかったので、削除した上で表として出力しました。
各ラップパターンの発現確率は、それぞれ
Aパターン 約65%
Bパターン 約15%
Cパターン 約10%
合計しても100%にならないのは、前述の通り、該当馬がいなかったパターンを1つ削って出したからです。

 このレースのラップは、Monarch の示唆通り、最も発現確率の高いAパターンでした。なので、そこで1番手の評価を受けていたケイデンスコールが勝利したのは、Monarch の筋書き通りです。同率の1位にケイアイノーテックがいますが、コチラは5番人気の15着でした。そして3番手評価のピースワンパラディが2着。14番人気3着のエントシャイデンは、Aパターンの評価が同率6番手でした。

 Monarch が総合評価を下す際は様々な項目を参照するので、それだけが要因ではないのですが、ケイデンスコールは、断トツ高確率のAパターン◎に加え、Cパターンでも4番手だった点を評価されています。ちなみに、ラップバランスチャートの適合率はやや低めでした。
ピースワンパラディの扱いも同じで、Aパターン3番手に加えてCパターンでも1番手となっていたのは評価されています。ちなみにコチラも、ラップバランスチャートの適合率はやや低めでした。
ラセット以下は総合評価が競っていたのですが、いずれもAのみならずCパターンにも印が配されており、14番人気で馬券になったエントシャイデンは、ラップバランスチャートの適合率も高めでした。

 このレースの悲劇は、一度 Monarch が判定した評価を、製作者である私が歪めてしまったコトです。ご存じの通り本来このレースが開催されるステージである京都競馬場は改修工事で閉鎖中。普段と条件が違う点をソフトが重視していないようだったので、人為的にテコ入れをしてしまいました。そうすると、エントシャイデンの評価は3番手まで上がったのですが、逆にピースワンパラディは4番手に、ケイデンスコールは同率6番手辺りにまで後退。私個人の馬券は、この荒れ方なので高配当にはなったものの、特大の当たりは逃す結果に。。シミュレーションで3連単回収率2万%を叩き出した Monarch の一人勝ちでした。。

          


      

②第4回 葵ステークス(2021)

葵ステークス ラップ適性解析表
2021年5月29日 第4回 葵ステークス ラップ適性解析表

 コチラの表は、見ての通り、2021年・葵ステークスのラップ適性解析表です。これも旧ブログで公開したモノです。
ダービー前日に3連単で1万倍(100万馬券)が出たレースで、コレもまた、Monarch のベタ買いシミュレーション・総合適性評価上位5頭の3連単BOXでも仕留められたという伝説のレース・パート2です。

ちなみに、ソフトの総合適性評価は、
⑧オールアットワンス  9番人気 3着
②ヨカヨカ       3番人気 2着
⑮テイエムトッキュウ  9番人気 13着
①リンゴアメ      3番人気 6着
⑦レイハリア      13番人気 1着
⑫リメス        15番人気 9着
となっていました。

Monarch が想定したラップパターンは4つ。しかしこのレースはチョット特殊で、ソフトが提示したラップパターンが、高確率順ではありませんでした。コレは、特殊条件(京都金杯と同じく開催場変更)だったのと、重賞昇格後間もないレースというコトで、普段よりも検証しにくい条件が重なった点を考慮して Monarch が複雑な計算をしたためのようです。
各ラップパターンの発現確率は、それぞれ
Aパターン 約40%
Bパターン 約15%
Cパターン 約5%
Dパターン 約35%
でした。

 このレースのラップは、またもや Monarch の示唆通り、最も発現確率の高いAパターンでした。なので、そこで2番手評価を受けており、次点高確率のDでも印が配され、Bでも高評価、かつラップバランスチャートの適合率も高かったオールアットワンスの好走は、Monarch の想定通りでした。京都金杯ではケイデンスコールが勝ちましたし、2021年は何故か総合評価上位の馬が勝つコトもちょこちょこあるのですが、本来は、この3・4着争いが Monarch の定位置ですw
ヨカヨカはAパターン最上位で、次点のDパターンでも高評価。文句無しです。
そして、大勢の人が泣かされたであろうレイハリア。このレースのポイントは、何と言ってもこの馬でしょう。Monarch は、A・B両ラップパターンで共に4番手評価を下しており、ラップバランスチャートの適合率は低かったものの、総合適性評価は5番手。この頭荒れで配当が物凄いコトになりました。

 ちなみに、高確率示唆で実際に発現したAパターンの評価だけを見ると、4・1・2番手の順で入線。それぞれの人気は13・3・9でした。他では、3番手評価のロンギングバースが競争除外(未出走)。同率5番手評価のスンリ・リメス・テイエムトッキュウは、それぞれ6・17・13着でした。このレースに関しては、このラップパターン評価一覧を見るだけで高配当が獲れたレースと言えます。ちなみに3連単回収率は25,000%。『円』じゃないですよw 『パーセント』。バグってるw ただし、シミュレーション通りに買っていない Monarch の後見人が手にしたのは3連複まで。十分な配当ではありましたが。

           


          

③第39回 中山牝馬ステークス(2021)

2021 中山牝馬ステークス ラップ適性表
2021年3月13日 第39回 中山牝馬ステークス ラップ適性解析表

 さて、超絶爆当たりの例を連続で挙げましたが。あんなもんは稀です。フツーはありません。というか今後永久に無いかもしれません。上表は、見ての通り、2021年・中山牝馬ステークスのラップ適性解析表です。他のと同様、旧ブログで公開しているモノです。人気が割れ気味だったので配当は爆発していませんが、人気馬総崩れで荒れたレースでした。

ソフトの総合適性評価は、
⑬ランブリングアレー  7番人気 1着
④ロフティフレーズ   15番人気 11着
⑤シャドウディーヴァ  8番人気 5着
⑧デンコウアンジュ   13番人気 6着
③アルーシャ      4番人気 15着
①リリーバレロ     11番人気 14着

 見ての通り、結果としては大したコトありません。Monarch が想定したラップパターンは、なんと8つ。コレは非常に稀で、ココまで多くなるコトは通常ありません。最も多くのパターンが提示された例ではないでしょうか。
各ラップパターンの発現確率は、それぞれ
Aパターン 約30%
Bパターン 約20%
Cパターン以下 概ね約10%程度
といった感じでした。

 パッと見た感じ、非常にデンコウアンジュが良さそうです。コレは Monarch がよく見せる形で、キャリアの長い馬に起こりがちな現象です。戦績が多い分、色々なレースや好走パターンの蓄積があり、その点をソフトが評価しやすくなっています。ラップ適性解析の解説で初めの方に語ったのと逆の現象ですね。

 前述の通り、このレースで Monarch はランブリングアレーを総合評価1位としました。発現確率トップのAパターンで最上位評価を受け、他でも高評価の印が回っていますから、まぁよく分かります。ちなみに、このレース2・3着のロザムールとフェアリーポルカは、共に総合評価で7番手のグループだったのですが、ロザムールに関してはAパターンで3番手の評価を受けています(5番人気2着)。
なるほどコレはまた綺麗にAパターンで決まったんだな、と思いきや、実はこのレースの結果を解析にかけると、発現したラップパターンはCでした。その欄に印が入っている1頭、デンコウアンジュは13番人気6着とまぁまぁですが、リリーバレロの方はは11番人気だったとはいえ14着でした。

 なんとも不可解ですが、実はこういうオチは結構あります。今回の場合、ソフトが総合評価1位を下した馬が人気薄で勝利して見事狙い通り!!なのですが、示された根拠とは微妙にズレがある…と。まぁ他にも多くの参照項目があるので、別にそこがズレていても問題ないといえば問題ないのですが、このラップ適性は比較的ソフトが重視するポイントなので、やや的外れなのは確かです。結果的に Monarch は当たりを引いたが根拠は盤石ではなかった。という中山牝馬ステークスのような例は、枚挙に暇がありません。

          


 ラップ適性解析評価 総括

 このラップパターン評価一覧は、Monarch が重視する項目の1つとなっているだけあって、割と「ココにヒントが隠されていた」という決着になるコトはあります。ただし、あくまで Monarch は各馬の『適性』しか評価しない、というのを覚えておいていただければと思います。地力・実力がほぼ加味されていないので、上位評価だけで決着するのは稀なのです。まぁ、不定期でもコレだけの爆当たりが出るなら十分な気もしますが。。

 また、面白い例や分かりやすい例を見つけた時は追加で紹介しようと思います。

          


その他の参照項目解説

位置取り指数の見方

ラップ適性解析表の見方

ラップバランスチャートの見方

馬場適性の見方

総合評価の扱い方

ラップ適性マトリクスの見方

 

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