Monarch は、数百・数千時間をかけた開発・改良の末、参照する項目や扱う数字・数式が非常に多くなっているので、細かい所を見始めるとキリがありません。
一応、その中でも有益であろう部分を抜き出して出力し、公開してはいるのですが、それでも元々自分のみが使う目的で開発されているので、基本的には分かりにくいモノになっていると思います。
簡単に見ようと思えば、ソフトの適性総合評価を確認していただければ良いのですが、折角その他の項目も出力しているワケですし、それらがたまに有益な情報をもたらしてくれるコトもあるので、項目ごとに簡単に解説しておこうかと思います。
※2020年・2021年頃の執筆で、内容が古くなっています。
目次
ラップ適性マトリクスについて
Monarch の各種解析項目や適性総合評価の扱い方については、別で解説ページを用意しておりますので、概要を細かく知りたい方はそちらをご覧下さい。
ココでは Monarch が2021年の8月最終週から一般公開しているラップ適性マトリクスについて簡単に解説をしたいと思います。
Monarch は開発スタートして以降の度重なる解析の積み重ねと改良で、現在は扱う情報量や出力するデータ量が膨大なモノとなっているため、その全貌をこの場で詳解するコトは不可能です。
ただ、情報を開示する以上は、その公開されたデータがある程度扱いやすいモノである必要があると思っておりますので、できる限り分かりやすい情報・使いやすい情報を提示できるよう日々考えております。
Monarch は、各所で語っている通り、穴馬を導き出すコトが元々の開発趣旨であり、基本的には『人気・実力・実績・能力・調子』といった要素をできる限り排除して、適性だけを見ようとするソフトです。
なので、明らかに地力が突出している馬でも評価が低くなるコトが多々あります。
力が抜けている馬は一般的にもある程度認知されているので、それをわざわざソフトを使って「強い」と判定させる必要性を感じない私は、開発黎明期からこの仕様をベースに開発を進めてきました。
しかしながら、広く外部に情報を開示する上では、能力や調子といった要素も含めた指標があった方が分かりやすいだろうというコトで、2021年からこのマトリクスの実装を検討。
遂に同年の夏から一般公開がスタートしました。
ブログにこの散布図を公開し始めて以降、殆ど全ての重賞で、特定の位置から好走馬が出ているので、ココではその紹介も含めて、ラップ適性マトリクスの仕様・見方について言及しておきたいと思います。
Monarch ラップ適性マトリクスの構成
予想動画などでは幾度となく解説しているので、一般公開後から毎週確認して下さっている方はご存じかも知れませんが、ラップ適性マトリクスは『適性』と『能力・調子』の2軸で構成されています。
横軸が『適性指数』
文字通り、適性を表す指標となります。
縦軸が『ハイブリッド指数』
コチラが各馬の能力や調子を表す指標です。
横軸は、左から右へかけて数値が高くなっており、縦軸は下から上にかけて高い評価となっています。
なので、より右上に表示されている方が総合的な評価が高いというコトになります。
『適性指数』と『適性総合評価』の違い
Monarch の解析情報には、色々な用語が出てきて、初見では(初見でなくとも?)混乱を来すコトがあるかも知れません。
ただでさえ、難解なのに、似たような表現が複数あったりして、誤解が生まれやすくなっているとも思います。
この『適性指数』と『適性総合評価』についてもそうです。
Monarch『適性総合評価』は、このソフトのメインコンテンツと言っても良いでしょう。
コレは文字通り、出走各馬の適性を総合的に評価した最終結論となります。
そして何度も言っている通り、この評価に『実力・実績・調子』といったファクターは加味されていません。
…っと、
ココまでは、古参の皆さんなら把握しておられるかと思いますが、実はややこしいコトに、マトリクスに表示されている『適性指数』は『適性総合評価』とは違う評価になっているんですよね。。
この点がまた、難解です。
毎度 Monarch の情報を参考にされている皆様からすれば、「この『適性総合評価』をマトリクスにそのまま表示すれば良いじゃないか」と思われるかも知れませんが、現状ではそれが難しくなっています。
理由は、Monarch の仕様によるところが大きいのですが、簡単に言えば、「適性総合評価には単純に数値化できない要素がある」からです。
『適性指数』は極々機械的に出された適性に関する指数です。
もちろん、文字通り適性を表してはいるのですが、あくまでも額面上の数字であって、その馬の適性的な本質を正確に表しているかどうかは怪しい部分があります。
一方の『適性総合評価』に関しては、適性指数のような数的な評価に加えて、あらゆる状況や複数のファクターも加えた上で、繊細に判断され、相対的な評価の上げ下げも加えられた上で出されています。
現状、この評価にかかる非常に細かい機微を単純に数値化するのは難しい、というか、正確さを欠いたモノになってしまう恐れがあるため、マトリクスでの表示には実装していません。
それ故に、マトリクス上では単純に数値化された『適性指数』を表示しているというコトになります。
適性の見方とハイブリッド指数
何度も申し上げている通り、『適性指数』は適性を表しているので、それを額面通りに受け取っても大きな問題はありませんが、「純粋に適性を見たい」あるいは「Monarch の適性評価を参考にして穴馬を導き出したい」というコトであれば、現状は『適性総合評価』を参照するコトをおススメします。
理由は前述の通りで、Monarch の仕様を考えれば、それが一番妥当だと思われます。
ラップ適性マトリクスに関しては、能力的な指標と適性を表す指標を合わせて視覚的に捉えたい場合には分かりやすいと思われます。
なので、マトリクス上で適性評価を捉える分には適性指数でも問題ありません。
ただ、このマトリクス上での適性指数の小さな差を、厳密な適性の差として捉えるのは得策ではありません。
各馬の適性の評価順を知りたいというコトであれば、基本的には『適性総合評価』の項目を参照していただければと思います。
ハイブリッド指数に関しても、まずはマトリクス上で適性と合わせて視覚的に捉えるのが分かりやすいと思います。
が、コチラに関しては、その数値や各馬の差、順位付けがハッキリ分かった方が予想に有効に使える場合がありそうですし、それを知りたいという需要も多かったので、散布図とは別で、指数の一覧表を9月の最終週から出力しています。
執筆時点では、適性の高評価馬と同じく、ハイブリッド指数の上位から人気薄が好走している例も多数見受けられます。
一般公開後スグから指数上位は人気馬・穴馬に関わらず一定数好走しているので、参考にされている方、今後参考にしたい方は、マトリクスの下に公開している一覧をご参照下さい。
ちなみに、適性指数に関しても、一覧を出してほしいという声が少数あったのですが、コチラに関しては出力しないコトにしました。
理由は前述の通りで、『適性指数』と『適性総合評価』の違いによる誤解を防ぐためです。
適性の評価順が確認したい場合は、『適性総合評価』をご覧ください。
『適性総合評価』順と『適性指数』順は、同じにならないコトが殆どですが、仕様です。
バグやエラーではありません。
『適性総合評価』は、文字通り適性を総合的に評価したモノ。
『適性指数』は、各馬の適性を額面上の数字で表したモノ。
どちらも、それぞれに意義のあるモノですが、純粋に今回へのレースの適性評価順を知りたい場合は『適性総合評価』です。
『実力・調子』といった指標のみを参照したい方は『ハイブリッド指数一覧』をご覧下さい。
ややこしくて恐縮ですが、コレが Monarch の仕様ですので、ご理解いただければと思います。
ラップ適性マトリクスの具体例
ココでは
綺麗に決まった例をピックアップして掲載しています。
全ての結果を参照したい方は
ラップ適性マトリクスの結果一覧ページをご覧下さい。
第11回 みやこステークス(2021)
アナザートゥルースが最も適性が高いと示された馬で10番人気3着でした。
ロードブレスはハイブリッド指数が5位でLINE配信馬に指名されて6番人気2着。
メイショウハリオはハイブリッド指数が6位で5番人気1着でした。
第59回 アルゼンチン共和国杯(2021)
1~4番人気でガチガチの決着でしたが、
好走馬は全て、適性・ハイブリッド指数共に高い位置に示されていた馬でした。
第57回 京王杯2歳ステークス(2021)
かなり極端な分布でしたが、
右側からはレッツリブオンが6番人気5着、
トウシンマカオが4番人気2着となりました。
ラブリイユアアイズはハイブリッド指数が1位で3番人気3着。
キングエルメスはハイブリッド指数が5位で8番人気1着。
この馬は自動データ印で◎に指名された馬でもありました。
第64回 スワンステークス(2021)
第69回 府中牝馬S(2021)
第56回 京都大賞典(2021)
第7回 サウジアラビアロイヤルカップ(2021)
第55回 スプリンターズステークス(2021)
第25回 シリウスステークス(2021)
第69回 神戸新聞杯(2021)
第39回 ローズS(2021)
第6回 紫苑S(2021)
第57回 新潟記念(2021)
第41回 小倉2歳S(2021)
第56回 札幌2歳S(2021)
第16回 キーンランドカップ(2021)
Monarch ラップ適性マトリクス 総括
各所で何度も語っている通り、元々この Monarch は、情報を公開するコトが前提になく、開発者であるヨルゲンセンが分かるようにしか造っていなかったので、分かりにくい点が非常に多いかと思われます。
ただ、解析結果を公開するようになってから、どういった形が分かりやすいかを日々考え、出力の仕方を色々と試行錯誤してきました。
2021年に実装・一般公開されたラップ適性マトリクスは、Monarch の公開情報の中でも、指折りに分かりやすい情報だと思います。
コレを基に、馬券をどう組むかというのが現実問題としては難しいのですが、少しでも馬券検討の参考になれば幸いです。
また、見方で分からないコトがある場合や、ご意見・ご質問・ご希望などがありましたら、気兼ねなくご連絡下さい。
各種SNSやブログや動画へのコメント、公式LINEへのメッセージ等々、連絡手段も都合の良い形で大丈夫です。
その他の参照項目解説
ラップ適性マトリクスの見方